
「美味しさ以上」のためのピッキング
私たちが日々口にするコーヒーは、生豆の状態で世界各国から輸入されています。
焙煎する前の生豆を見ると、きれいな豆だけでなく、カビ豆、腐食した豆、虫食い豆や奇形豆など、実にさまざまな豆が混じっています。
fuku coffee roastery の焙煎は、仕入れた生豆を一粒ずつ確認し、異常のある豆を徹底的に取り除くことから始まります。さらに焙煎後にもダブルチェックを行って、良い豆だけを残します。
こうして選び抜いた理想的なコーヒー豆だけが fuku coffee roastery の商品となるのです。
数キロの生豆を選り分けるピッキング作業は、多大な時間と労力を要します。
それでも私が徹底的なピッキングにこだわるのには理由があります。
美味しさを追求するとともに、健康に良いコーヒーをお客さまにお届けしたいからです。

そのコーヒーは安全ですか?
複雑な工程を経て加工されるコーヒー豆は、常に腐敗や汚染の危険にさらされています。
特にカビにより発生するカビ毒については注意が必要です。
――2003年のある研究によると、処理する前の90%以上の緑のコーヒー果実がカビに汚染されていた。また、他の研究によると淹れたコーヒーの50%以上にカビが含まれていたという報告もある。
(参考:ダイアモンド社 『HEAD STRONG シリコンバレー式 頭がよくなる全技術』P.190~191)
コーヒー豆や穀類などのカビが発するオクラトキシンAという毒素は、発ガン性リスクやDNA損傷、腎臓機能障害等を引き起こす可能性が高いことが学会で報告されています。(*1)
このカビ毒は熱に強く、一般的な調理温度(110℃~210℃)による60分以内の加熱では完全に分解することはできません。コーヒーの場合は焙煎により90%除去できるとされていますが、カビた豆は避けるに越したことはないと私は考えています。(*2)
そこで、fuku coffee roastery では確かな業者から質の良い生豆を仕入れ、店内でも焙煎の前後に二度のピッキングを行うことで、コーヒーの安全を守っています。
毎日口にするものであるからこそ、より美味しく、より健康的なものであるべきであると考えます。
*1 欧州食品安全機関(FESA:European Food Safety Authority)内閣府食品安全委員会、農林水産省HP
*2 内閣府食品安全委員会、東京都保健医療局HP
特別で健康的なコーヒー
私の持論では、コーヒーは温かい状態よりも、むしろ冷めた時にこそ本領を発揮します。
冷めた状態で「澄んだクリアな味」であれば、それは丁寧にピッキングされた上質なコーヒーであると私は断言します。
逆に、温度低下とともに雑味、渋味やエグ味など増してくるコーヒーは、ピッキングが不十分であり当店の基準には達しないものです。
最上のコーヒーは、丁寧なピッキング作業なくしては成り立ちません。
どれほど手間や時間がかかろうとも、美味しく、より健康的なコーヒーをお客様に提供するための努力を私は決して惜しみません。
他店では味わえない、徹底的にこだわりぬいた「特別で健康的なコーヒー」を、是非あなたの五感でお確かめください。
【参考サイト/文献】順不同
HACCP関連情報データベース https://www. shokusan.or.jp
日本薬学会 環境・衛生部会 https://www. pharm.or.jp
厚生労働科学研究成果データベース https://www. niph.go.jp
日本エコテック株式会社 https://www. ecotech.co.jp
農林水産省 https://www. maff.go.jp
国立医療品食品衛生研究所 https://www. nihs.go.jp
デイヴ・アスプリー著『HEAD STRONG シリコンバレー式 頭がよくなる全技術』ダイアモンド社

町家の空気とともに生まれる、手仕事の一杯を、ぜひ味わってみてください。